2012年4月より中学で武道必修化

合気道イラスト.gif中学校で武道の必修化が今春(2012.04)より始まります。中1、中2は男女とも柔道、剣道、なぎなた、合気道の中から学校や教育委員が選んだ種目を習うことになります。

現在も武道は選択科目になっており、6割ほどが柔道を選んでいて、必修化されると多くの学校が防具類の不要な柔道を採用すると思われますが、柔道を指導できる教員が不足しているのも現実です。全日本柔道連盟などの競技団体は研修や講習を実施していますが、その内容はまちまちで、愛知県柔道連盟では6日間の教員向け指導者講習で受講者全員に段位(黒帯)を与えています。

名古屋大学の調査では柔道をしていた中学、高校生が死亡した例は、2010年度までの28年間に114件起きていると報告されています。少なくとも114人の中学生や高校生が柔道の稽古中に死亡していると言うことです。このため一部の保護者からは「数日の研修を受けただけの教員に教えられるのか」などと言った疑問や不安が寄せられています。

ここで、なぜ武道を中学の必修化になったか、その目的を考えてみたいと思います。近年、凶悪事件の低年齢化に多くの大人たちは嘆きそして戸惑っています。いろいろな原因はあると思いますが、しかし相手を思いやる気持ちや攻撃を与えた時のダメージを想定できる人間であれば、少なくともそんな凶悪な事件にはならないことだけは確かと思います。

武道には、礼を重んじ相手を尊重し、今自分がここにいられるのは多くの人の支えのお蔭と感謝の気持ちを忘れないなど、人格を磨き見識を高める心身の鍛錬に役に立ちます。

そういった面では、まさに合気道は人を傷つけない武道、戦うことを目的としない武道ですので一番適しており、年齢や性別に関係なくできる武道なのです。ただ残念なことに合気道をしっかり指導できる中学高校の教員が少ないのが現状で、2009年にこの法案が成立したころから文部科学省で武道を指導できる教員の育成を進めていたらと残念に思います。

文部科学省の支援のもとに、合気道をしっかりと心技体を一体として指導できる教員の養成を早急にお願いすると同時に、地域の合気道人材の活用を積極的に進めるべきと考えます。

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